明日19日に日経BP社から発売となる「HTML5によるAndroidアプリ開発入門」を献本いただきました。
この本の翻訳の監修をされている夜子ままさんが、Twitterでこの本のレビューをしてくれる人を探されていたので、せっかくだしということで立候補してみたところ、レビューさせていただくことになりました。
本当にありがとうございます。
JavaScriptでAndroidやiPhone用のアプリを作る方法として有名なものにTitanium Mobileがありますが、これはあくまでJava/ObjectiveCの代わりにJavaScriptを記述言語として利用できるようにするものであって、Web制作の技術をそのまま利用できるものではありません。
この本ではそうではなく、タイトルにあるとおりHTML5やCSS3を含めたWeb制作の技術で作成できるWebアプリ、そしてそのWebアプリをフレームワークでラッピングしてネイティブアプリを作成する方法を紹介しています。
Webアプリをラッピングしてネイティブアプリ化するためのフレームワーク(本書ではこのようなフレームワークをブリッジフレームワークと呼んでいます)にもいろいろな種類がありますが、本書ではPhoneGapを採用しています。
全体の構成としては、本の前半ではブラウザで動くスマートフォン向けWebアプリの作成方法を説明し、後半ではPhoneGapのサンプルコードをいじりながら位置情報ゲームアプリを開発していき、最後にそれをネイティブアプリとしてマーケットで公開できるようにする、といった流れになっています。
筆者が本文中で「この本でも、ブリッジフレームワークについてもっと触れたいところでしたが、この本で考えていくのはモバイルWebアプリの開発です」(2ページ)と書いているとおり、この本の多くはスマートフォン向けWebアプリの作り方の説明に割かれています。
そのため、この本はタイトルに反して(Androidに限定しない)スマートフォン向けWebアプリ作成の解説書だとも言えるでしょう。
ブリッジフレームワークについて触れている部分はあまり多くはないのですが、それでもPhoneGapを利用してAndroid端末上で動くネイティブアプリとしてパッケージングするための方法、インテントを利用する方法、マーケットで公開するための署名をする方法…といった入門書として必要な内容はきちんと押さえられています。
もしあなたが、Android端末で利用できるJavaScriptの新しいAPIやCSS3のこと、jQuery Mobileの使い方など、スマートフォン向けWebアプリの開発方法を既によく理解しているのであれば、この本の内容はやや物足りなく感じるかもしれません。その場合はもっとPhoneGapの解説に寄った別の本を探したほうがいいでしょう。
そうでないのであれば、これ一冊でブラウザで動くスマートフォン向けWebアプリ開発とPhoneGapによるネイティブアプリ開発の両方に有効な手法を理解できる十分な内容だと思います。
ところで、この本は洋書からの翻訳なのですが、原書の出版から翻訳までの間にPhoneGapやその他のライブラリのバージョンが上がったために原書の説明と食い違いが発生している箇所がいくつかあったり、あるいは、原書の記述が誤っているか誤解を招きかねない表現になっている箇所などもあったりします。
それらの点については監修者注で逐一詳しい説明が入れられており、原書よりも正確で新しい内容に沿ったわかりやすいものになっています。
夜子ままさんが大変ていねいに監修されたことがわかりますね…。
(ここから本文とは関係ない話)
本は会社宛てに送っていただいたんですが…
同封されていた送り状の僕の名前の部分も全てコレになってました。
日経BP社の担当者の人は何を思いながら名前を(書いて|打って)いたのでしょう…。
夜子ままさん、悪ノリしすぎ。
コメントする