このたび、本日1月31日を以って約1年9ヶ月お世話になった株式会社ジェーンを退職することになりました。
月に1回書いたり書かなかったりくらいの超低頻度で続けているこのブログですが、これで2回めの退職エントリとなります。(1回目はこちら)
僕がジェーンに入社した一昨年の春はちょうどJanetter Ver.2の開発が始まったころで、それから今日までほとんどずっとJanetterの開発に力を注いできました。
スマートフォン版の開発が本格化してきた今年の春ごろからは、PC(Windows/Mac)版は一部(DelphiやObjCで実装された部分など)を除いて僕がほとんど専任で担当するかたちになっていました。
しかしその反面、Janetter以外の仕事がなかなかできないことに、技術者としてある意味“危機感”を抱いていたことも事実です。や、別にそれが辞める理由ではないんですけど。
実は去年の今ごろ、Google Chrome向けの「Chromeアプリ」としてJavaScriptで実装した本格的な2chブラウザ(開発コードネーム「Jessica」…オリジナルのJaneの派生ではない(ソースコードを使っていない)のでJaneの名前を冠するべきではないと思い、「Jane」「Janet」の先例にならってJで始まる英語の女性名を付けました)の開発を提案し、実際にある程度のプロトタイプを作成するところまではいったのですが、実装に必要なIndexedDB APIの仕様が当時はまだ不安定だったり、先述のようにPC版Janetterのほぼ専任担当になってリソースを割けなくなったということもあり、結局その計画は頓挫しました。一昨年の12月に書いたIndexedDB APIの記事はその副産物だったりします。最近はIndexedDB APIもラストコールになり仕様がかたまってきているみたいなので、余裕があれば何らかの形で世に出してやりたいものですね…。
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さて、Janetterはおかげさまで非常に多くのユーザーを抱える製品に成長しました。
Twitterを少し検索するだけでも、使いやすくて一番好きなクライアントだというありがたい意見、@の取りこぼしが多いという批判(UserStreamがちゃんと送ってこないのが悪いんだろ!とも思いつつ…)など多くのユーザーの声が見えてきて、開発者としてこれほどやりがいを感じられる製品はそうそうないだろうと思っています。
先ほどはそれ以外のことができなかったと書きましたが、やはりこのような製品の開発に携われたことは本当に幸せで、楽しかったです。
そんな愛着のある製品の開発が誰か知らない人の手に渡ってしまうのは悔しい、というわけで、
PC(Windows/Mac)版Janetterの開発は退職後も引き続き僕が請け負って続けさせていただくことになりました。
製品の開発元やサポート業務等はこれまでどおり株式会社ジェーンのままで、僕は個人事業主としてその開発を請け負う立場ということになります。
立場や開発体制は変わりますが、Twitterを快適に利用できる最高のクライアントを目指してこれからも開発を続けていくことに変わりはありません。
API1.1対応という大仕事は何とか在職中にほぼ完了させることができましたが、まだまだやることはたくさんあるんですよ。要望だっていっぱいあるし、不具合だっていっぱいある(ごめんなさい)。
2013年3月のAPI1.0終了、トークン数の制限など、Twitterクライアント業界にとってはいろいろと前途多難な昨今ではありますが、引き続きご愛顧のほどよろしくお願いします。
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ところで、僕自身については、知り合いの方が設立された会社に2月1日からジョインします。そう、明日から。
こちらの会社からは当初、個人事業主として仕事を請け負ってほしいというお話をいただいており、PC版Janetter開発の仕事も含めて完全にフリーランスとしてやっていくのもいいかなーと思っていたのですが、各方面との話し合いを重ねて検討した結果、正社員として働かせていただくことになりました。
個人的には、勤務先が本町から新大阪になって通勤が楽になったのがありがたいところですねw
これに先立って、実は昨年12月から既にこの会社からの仕事を個人で請けていたのですが、その仕事を進めていく中で、この1年9ヶ月間いかに生ぬるい環境にいたかを痛いくらいに実感させられました。
納期もあってないようなものでしたし、関係者もオフィスのすぐ近くにいる人達だけで完結してしまっていて、社外の取引先とコミュニケーションをすることもほとんどありませんでした。
しかしそれらは本当に特殊な環境であって、「普通」(何が普通なんかわからんけども)は、それじゃ通用しない。
迷惑もお掛けしましたが、働くために必要ないくつかの考え方・心構えを忘れてしまっていたことに、今のうちに気付けてよかったです。もう少し遅かったら、ておくれだったかもしれない。
それを忘れていることにも気付けなかったのに、フリーランスになろうなんていかに甘い考えだったか!!血迷わなくてよかった!!(しろめ
なんていうか、また“社会人”(←この表現も好きじゃないけど)一年目の再履修みたいな感じで、これからイチからやり直していきたいと思っています。
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ついでなので個人事業主の話もしておこうかなと。
昨年12月1日付けで個人事業を開業しました。
これはあくまでも、12月から進めていた次の会社からの仕事と、今後のJanetter開発の仕事を個人で請けるために税務処理上必要なので開業したという意味合いが大きいので、今のところは他の仕事を請けようということはあんまり考えていません(が、将来はわかりません)。
屋号は「increal」(インクリアル)。「インクリメント」と「リアル」を合わせた造語です。何年か前から温存してました。
「コードで世界を変えてやる!」みたいな大きいことは言いません。そういうのは某H社とか某G社とか某:D社とかの人たちにお任せしますw
ただ、数をインクリメントしていくようにほんの少しずつでも、いま目の前にあるこの現実(real)世界をより楽しく、より便利に、より良くしていくお手伝いができればという想いをこの名前に込めています。
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正社員としての仕事、個人事業主としての仕事、あるいは単なる趣味…。
そのあたりの形態はいろいろありますが、いずれにしろコードを書いて何かを作るのが僕に出来ることであり、好きなことでもあるわけです。
「職場」や「作るもの」なんかは変わりますが、プログラマーという仕事は、これまでも、これからも変わりません。
ほんとにまだまだへっぽこですけど、向上心だけは常に持ち続けて前に進んでいく次第です。
そんなわけで、今後ともよろしくお願いします!
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