こんにちは、mzsmです。
この記事は投資・資産運用Advent Calendar 20日目の記事です。
僕は投資に時間をかけるのをやめました。
サラリーマンとして働いているので、専業投資家のようにずっと張り付いて取引するわけにもいかないですし、それをやったところで稼げる自信もない。
そもそも投資だけで食っていけるほどの取引はしていないし、せいぜい「銀行に預けておくより有利な年利数%程度でコツコツ増やしていければいいな」くらいの感じでやっているので、あまり手間をかけても割に合わないのが実情です。
幸いなことに、ここ最近、投資の手間を最小限にしてくれるサービスが続々と登場してきています。
もちろんサービスを使う以上、自分で同じことをやるよりも多少の金銭的コストはかかるのですが、それによって自分自身の手間が削減できると考えるとそう悪くないんじゃないかなと。
今回はそんな「おまかせ」型の投資について書いていきます。
本題に入る前に株式投資について
投資にはいろいろな方法がありますが、中でも代表的存在といえば株式投資ではないでしょうか。
この記事は、投資をやっている人とやっていない人の両方に向けて書いているので、投資をやっている人にとっては常識ですがまずは「そもそも株式って何?」という根本的なところから。
そんなの知ってるよ!という人はしばらく読み飛ばしてください。
そもそも株式とは
たとえば会社を作って何か事業を始めようとしたとき、オフィスを借りたり、製品を作るために設備を買ったりと、何かとお金が必要になります。
事業を始めてしまえばその後の費用は事業で得たお金から出すことができますが、最初はそんなものはないのでどこかからお金を集めなければいけません。
そのためのお金を集める方法のひとつが、株式を発行して誰かに売るというものです。
たとえば株式を1株5万円で100株発行して売れば、会社は500万円を集めることができます。
銀行などからお金を貸りた場合はいつか返す必要がありますが、株式を売って得たお金は返す必要がありません。
その代わり、会社が得た利益の一部を分けてもらえる権利(利益配当請求権)や、会社の経営方針を決める投票に参加する権利(議決権)などがお金を出した人に与えられます。
ものすごく乱暴に言うと、会社のためにお金を出した人に与えられる権利です。
ここまでがそもそもの株式の仕組み。
株式投資の仕組み
次はその株式を使って、どういう仕組みで投資が成り立っているのかという話。
株式は「権利」なので売り買いすることができます。
その売り買いをするための場所が東京証券取引所などの取引所です。
世の中にあるあらゆる会社の株式が取引所で取引できるわけではなくて、取引できるのは取引所の審査に合格した会社の株式だけです。
このへんの説明はややこしいのでパス。
先述のとおり、株式には会社が得た利益の一部を配当金として分けてもらえる権利が含まれています。
たとえばある会社がある年に1株あたり100円の配当金を出した場合、1株持ってる人は100円、10株持ってる人なら1,000円もらえるということになります。
この配当金の額は、企業によって比率は異なるものの、業績に連動していることが多いです。
つまり、業績が良くなれば配当金も多くもらえるようになるし、逆に業績が悪くなると配当金の額が減ったり、もしくは出なくなってしまうかもしれない。
ということは、これから業績が上がることが予想される会社は、今後配当金も多くなる可能性が高いので、欲しがる人が多くなる。
物の値段は需要と供給によって決まるという話を社会の時間に学びましたよね。
なので、その会社の株式を欲しいと思う人が多くなれば、株式の取引価格=株価も高くなるわけです。
自分が株式を買った価格よりも高い価格で売ることができれば、その差額が利益になります。
つまり、株式の売買は投資家同士の間でお金が動いている(+取引を仲介する証券会社が手数料を取っている)だけなので、株式を買っても別に会社にお金が入るわけじゃないんですね。
会社にお金が入るのは、会社が株式を売ったときだけです。
株式を持っているからと言って本当にその会社にお金を出したわけじゃなく、あくまでそこから派生した権利を持っているというものです。
株式投資はなぜ面倒くさいのか
2016年末時点で、全国の取引所で取引できる会社の数は3,600社以上にのぼります(出典)。
プロの投資家は、この膨大な数の会社の中から「今後どの会社の業績が伸びるか」ということを調べ、日々株式の売買を行っているわけですが、片手間でやっている人間がそこまで会社の情報を調べるのはなかなか大変です。
また、一般に投資をする上では1種類の資産だけをたくさん持っているより、多くの種類に分散して投資する(分散投資)ほうが良いとされています。
たとえば1社の株式しか持っていない場合、もしその会社が倒産してしまえば全資産がパーになってしまいますが、10社の株式を持っていればそのうち1社が潰れたとしてもダメージは少なくなります。
しかしそれだけ多くの会社の株式を購入しようとすると、どうしても元手が多く必要になります。
株式の取引は原則的に100株単位(一部の会社は違う場合もある)で行うことになっています。
この取引できる単位を単元と呼びます。
たとえば株価が1,000円の会社の場合、この価格は1株あたりのものなので、実際にその会社の株式を1単元購入するには1,000円×100株=10万円必要です。
もし10社の株式をそれぞれ1単元ずつ買おうとすれば、おおむね50万円以上は必要になってしまいます。
株式投資をちゃんとをしようとすると、情報収集が大変なのと、それなりの元手を用意しないといけないのが大変なのです。
面倒くさいならまとめてしまえばいいじゃない
そこで便利なのがFOLIOというサービスです。
これは、たとえば「コーヒー関連の事業を行っている会社」「働き方改革に力を入れている会社」「借金が少ない会社」「本社が京都にある会社」など、さまざまなテーマで会社を選別し、そのテーマに沿った会社の株を一括で購入できる「テーマ投資」という方法を簡単にできるようにしたサービスです。
自分が興味を持っている分野だったり、あるいは「今後この分野は成長していきそうだなと思うこと」を選べば、あとはオススメの会社10社を自動的に選んでもらえるので、それらの会社の株式を一括で購入できます。
このサービスの利点は、少ない元手で多くの会社に分散して投資ができることです。
そこで出てくるのが、100株単位という原則から外れて1株単位で取引ができる単元未満株という仕組みです。
単元で株式を持っている場合と違って会社の経営方針を決める投票に参加する議決権は無いものの、配当金は同じように受け取れます。
FOLIOではこの単元未満株の仕組みを利用して10万円で10社に分散投資ができるようになっています。
単元未満株はFOLIO独自のものではなく、だいたいどこの証券会社でも取引可能です。
そのため、FOLIOに提示された会社の株式を提示されたとおりの数量ずつ購入すれば、FOLIOを使わなくても同じ金額(手数料を除く)で購入することはできます。
また、SBI証券が「S株Now!」というFOLIOを完全にパクったようなサービスを始めており、こちらも購入する株式をテーマで選んで単元未満株で購入することができます。
これらに対するFOLIOのメリットは、購入から保有、売却までをテーマごとにまとめて管理できることです。
購入した会社の株式が値上がりしたとき、売却益を得るためにはある時期で売却する必要があります。
単元未満株を個別で、またはS株Now!を使って購入した場合、所有している株式はテーマごとではなく会社ごとに表示されるので、売却時は会社ごとにそれぞれ売却する必要があります。
また、時間が経つと何のテーマで買った会社なのかわからなくなってしまうかもしれません。
FOLIOの場合は、売却時も購入時と同じテーマ単位で行えるので管理が簡単に行えるのです。
また、同じテーマに組み込まれている会社でも、すべての会社の株式が同じような値動きをするのではなく、たとえばある1社が急に業績が良くなって株価がドーンと倍になったり、不祥事が発覚して1社だけ大幅に値下がりしてしまうかもしれません。
そのため、購入時には10社がいい感じのバランスで組み込まれていたものが、時間が経つにつれそのバランスが悪くなってしまうことがあります。
FOLIOでは、所有している銘柄がいい感じのバランスになるように調整するリバランスや、あるいは売却のタイミングも提案してくれるため、所有中の運用も任せることができます。
FOLIOの使い方
まずはどういうテーマで投資するかを選びます。
これから伸びそうだなと思う分野でも、単純に自分の興味のある分野でもかまいません。
テーマを選んだら、次にどういうスタイルで投資をするかを選びます。
リスクとリターンをバランス良くするバランス型、価格変動リスクをなるべく抑えるディフェンス型、企業の成長性を重視して値上がりを期待するグロース型、業績の割に株価が割安な銘柄を重視して将来その割安感が解消されることを期待するバリュー型という4つから、自分の好みのスタイルが選択できます。
たとえば「テレビゲーム」というテーマでバランス型を選んだ場合とグロース型を選んだ場合では、このようにまったく異なる運用比率となります。まぁ、よくわからない場合はバランス型のままでいいでしょう。
あとは注文手続きをするだけです。
お金は事前に口座に入金しておく必要があり、口座の残高の範囲内で購入することができます。
単元未満株はその仕組み上、注文時点では価格が決定できないため、注文を行うには構成される全銘柄が値幅制限いっぱいまで高くなった場合(ストップ高)のぶんだけ、実際の価格より多めの金額が必要です。
購入は前場または後場の寄り付きの時点で行われ、購入後は実際にかかったぶんだけお金が引き落とされます。
あとは自動的に運用が行われていくので、たまに価格を確認してニヤニヤしたり、案内を参考にしてリバランスや売却の指示をすればいいでしょう。
僕は10月末にFOLIOに10万円入金し、「ニッチ分野において高い世界シェアを有し、優れた経営を行っている中堅・中小企業」で構成される「グローバル・ニッチ・トップ」のグロース型で10月末から運用を始めました。
2ヶ月半が経過した12月15日時点で約+6%と悪くない成績が出ています。
面倒くさいならプロ(グラム)?にまかせてしまえばいいじゃない
資産運用をおまかせする方法には、銘柄の選定、運用をプロが行う(アクティブ型)投資信託や、プログラムが全自動で行うロボアドという方法もあります。
ロボアドはnkznさんが2日目の記事で書かれていたTHEOがそうですね。
どういう方針で運用したいかという簡単な質問に答えるだけで、その考え方に沿ってプログラムが上手いこと運用してくれるサービスです。
僕はWealthNaviというサービスを使い、7月末に30万円で運用を開始し、月に1万円の積立をしています。
運用成績は、4ヶ月半が経過した12月15日時点で、円建てで+5%弱、ドル建てで+4%弱でした。
それぞれ「銘柄の選定にどこまで介入できるか」「運用指示は人力なのか全自動なのか」といった違いはありますが、資産運用をする上で考えることがぐっと減ることに違いはありません。
投資をやったことがない人の中には「投資っていろいろ知識をつけなきゃいけないことが多くて難しそう」と思っている人も多いかもしれませんが、必ずしもそうではないのです。
もちろん運用をおまかせした結果、最終的に損失が出てしまってもその補填を受けることはできず自己責任ということにはなりますが、素人がアレコレ考えるよりは、巨人の肩に乗るほうが安心感があるように僕は思います。
※免責事項
この記事は投資や資産運用に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
内容については公開されている情報をもとに細心の注意を払って執筆していますが、筆者による個人的見解も含まれており、その正確性を保証するものではありません。
内容に含まれる運用成績はあくまで筆者個人による過去の結果であり、将来の運用成績を保証するものではありません。
投資に関する最終決定は必ずご自身の判断で行うようにしてください。
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